子供の予防接種について
予防接種
免疫力が未熟な子供たちにとって感染症は最大の脅威です。感染症から子供を守るために予防接種が必要です。
平成6年度の予防接種法改正で、予防接種は保護者が予防接種の意義及び接種に伴う副反応を十分理解、納得した上で接種されるために、日頃の健康状態を把握している医師が予診を尽くして接種を行う「個別接種」が原則となりました。
予防接種には予防接種法に定められた「定期接種」と、保護者の任意に基いた「任意接種」があります。生後2か月から予防接種が始まります。何種類かのワクチンを同時に接種する「同時接種」も行われるようになりました。かかりつけ医と相談のうえ計画的に受けましょう。
①定期接種(予防接種法に定められたもの)改正
ワクチンの種類 | 受けることのできる年齢 | 標準的な接種間隔と回数 | 備 考 |
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ロタウイルス(生) ※1価と5価の2種類 | 1価 2か月から出生24週0日後未満 | 1価 生後2か月から2回 | 経口生ワクチンです。ロタウイルスは重症な胃腸炎を起こします。ワクチン接種で重症化を防ぎます。 |
5価 2か月から出生32週0日後未満 | 5価 生後2か月から3回 |
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ヒブ(不活化) | 2か月 ~ 5歳未満 | 初回27日以上の間隔をあけ12か月まで3回、3回目の終了後7か月過ぎて1回 | インフルエンザ菌b型は髄膜炎、敗血症、喉頭蓋炎など重症化しやすく後遺症を残したり死亡することもある細菌感染症です。 |
小児用肺炎球菌(不活化) | 2か月 ~ 5歳未満 | 初回27日以上の間隔をあけ12か月まで3回、3回目接種後60日以上かつ1歳を過ぎてから1回 | 肺炎球菌は髄膜炎、敗血症肺炎中耳炎など重症感染症になりやすい細菌感染症です。 |
B型肝炎ウイルス(不活化) | 出生後から生後12ヵ月未満 | 1回目を生後2ヵ月、2回目は1回目から4週間以上あけて生後3ヵ月、3回目は1回目から139日以上あけて生後7~8ヵ月で接種 | B型肝炎ウイルスは肝臓がんの原因となるウイルスです。血液、体液を介して感染します。 |
四種混合DPT-IP(不活化) | 2か月 ~ 7歳6か月未満 | 初回20~56日の間隔をあけて3回、1年後1回 | ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ混合ワクチン。 |
BCG(生) | 5か月 ~ 8か月未満 | 1回 | 結核は乳幼児が罹患すると髄膜炎や粟粒結核など重症化しやすい。 |
水痘(生) | 1歳から3歳未満 | 6から12か月の間隔をあけて2回 | ワクチン接種で重症化を防ぎます。 |
麻疹・風疹混合(生) | Ⅰ期 1歳 ~ 2歳未満 | 1回 | 麻疹は罹患すると脳炎や肺炎など重症化しやすく、風疹は妊娠中に罹患すると胎児が障害を持つことがあります。 |
Ⅱ期 就学前1年 | 1回 | ||
日本脳炎(不活化) | Ⅰ期 3歳 ~ 7歳6か月 | 6~28日の間隔をあけて2回と1年後1回 | 日本脳炎ウイルスはブタから蚊を介してヒトに感染します。 |
Ⅱ期 9歳 ~ 13歳未満 | 1回 | ||
DT(不活化) | 11歳 ~ 13歳未満 | 1回 | ジフテリア、破傷風ワクチン |
ヒトパピローマウイルス(不活化) ※2価と4価と9価の3種類 | 小学校6年生 ~高校1年生女子 | 2価・4価 6か月の間に3回 | ヒトパピローマウイルスは子宮頸がんの原因になるウイルスでワクチン接種と将来のがん検診により子宮頸がんを予防できます。 |
9価 15歳の誕生日前に接種:6か月の間に2回 15歳の誕生日以降に接種:6か月の間に3回 |
②任意接種
ワクチンの種類 | 受けることのできる年齢 | 標準的な接種間隔と回数 | 備 考 |
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おたふくかぜ(生) | 1歳から | 2回 | ワクチン接種で重症化を防ぎます。 |
インフルエンザ(不活化) | 6か月から | 6か月から12歳まで毎年2回、13歳以上は1回 | 脳炎、脳症、肺炎の合併症を防ぎます。 |